最近、自分の友達や知り合いに、「社長になりました」、「自分のお店を開業しました」という話が、ちらほら聞こえてくるようになってきました。
経営者と聞いてよく思うのが、①サラリーマン社長、②オーナー社長とでは、役席上の立場は同じだとしても、仕事に対する内なる動機については、全然違うものになっているんだろうということ。
では、両者で何が違うのか?
(1) サラリーマン社長
典型的な例は、いわゆる大企業の社長。役職を階段的に昇進して、社長に辿り着いた人達です。中には、入社当初から、高い志を持ち、社長になるという目標を持って、熾烈な出世競争を勝ち取った人もいるかと思いますが、恐らく大半はポストの役回り上、エスカレーター方式で社長になった人達が多いんだと思います。
何はともあれ、社長まで昇りつめているので、当然頭はめちゃくちゃ切れますし、それ相応の知識、経験を備えている人達ばかりであるのは間違いないです。ですが、この方々達に、高い動機(自分が大事にしているものや、使命を持って貫く想い)が、あるかどうかは分かりません。
社長になるまでの経緯は、長い出世競争を踏んで経営者となっています。ですので、彼らの仕事に対するマインドとしては、自分の使命や想いというよりは、組織(上下関係)を中心に置いた考え方をしています。
したがって、上層部が集まる会議体では、取締役間での立場的な忖度が、少なからず決定事項の要因に影響しているケースが多く発生します。
サプライズ人事で若くして社長になった方々もいますが、結局は、社長の上に、会長等のポストを置かれてしまい、いつまで経っても、組織を中心にしたマインドから抜け出せないのが、サラリーマン社長の性です。
加えて、経営者の任期も、不祥事を起こさなければ、過去の事例に乗って決まっており、そう長くはありません。なので、経営戦略も短期的な視点になりがちとなります。
(2)オーナー社長
一方でオーナー社長はどうでしょうか。ここでいうオーナー社長は、典型的な日本の大企業を除いた中小企業の社長さんも含まれています。イメージとしては、ファーストリテイリング(ユニクロ)の柳井さん、ソフトバンクの孫さん等でしょうか。
オーナー社長の特徴は、何と言っても、自分の使命と想いを持って会社をゼロから作った人達ですから、上で述べた動機の部分が、サラリーマン社長とは全く違うものになっています。
世の中を自分達が提供するモノやサービスで良くしていきたいと高い動機があるからこそ、会社内の組織上の忖度無く、任期も決まったものはありませんので、モノゴトを中長期的な目線で考えられているんだと思います。
働き方の4つの特徴
この前、藤野さんの「投資家みたいに生きろ」にも書いてあった、ネコリーマン、トラリーマンという考え方がありましたが、その藤野さんと仲山さん(楽天大学学長)が対談した面白いサイトがありました。(ログインしないと中身は見えませんが…)
藤野英人氏と仲山進也氏が語る「組織のネコ」──ハイブリッドワーク時代の“4種の動物”が共存する組織 | Biz/Zine(ビズジン) (bizzine.jp)
組織で働く人には4つのタイプがあると示しています。以下のような図になります。
上記の図は、組織の状況を説明するのに、めちゃくちゃ分かりやすい例だと思いました。
先ほど、上で書いたサラリーマン社長は、”ライオン”です。組織を中心に考えてリーダーシップを発揮するタイプ。
オーナー社長は、”トラ”から”ライオン”に変わってしまうケースもあると思いますが、中身は”トラ”のままのはずです。
日本の大企業の典型的な特徴は、”ライオン”(指示を出してくれる人)に従う、”イヌ”(指示を受けて忠実に業務をこなす)という関係のもと、成り立っていると言えます。
伊賀康代さんの本で、「採用基準」という本を読みましたが、これも上記の図で説明できます。
「採用基準」でのキーメッセージは、”日本企業で働く従業員は、リーダーシップが欠如している”でしたが、これは、日本企業が基本的に、”ライオン”に従う、大多数の”イヌ”で成り立っている構図になっているからです。
つまりは、管理職がグループのリーダーとなって指示を出すべきであり、下位者がそれを受けて業務を粛々と行う、というマインドが根強く形成されてしまっているからに他ありません。
このように組織関係が縦に形成されているから、グループメンバーそれぞれがリーダーシップを発揮して、何かに取り組むということにつながっていないのが実態だと思います。
私は4つの内、どれでしょうかね?
はい、私は今は、”ネコ”です。とにかく組織から自由になることを軸に動いています。2年前からやっている投資もこの考え方からです。会社、組織にすがる理由は、お金という要素が大きく占めています。
まずは、お金に対して会社に依存するレベルを下げていけば、自ずと組織から自由になる方向になります。
会社での役職にすがるという方も中にはいると思います。会社の肩書でマウンティングする方が、世の中的には簡単ですから、そういう考え方もあると思います。
私は、あいにく肩書は気にならない方なので、毎日が充実して、自分、家族、自分に関わる人々が幸せならば、それで十分です。
ただ、”ネコ”ではなく、会社内で一時期”トラ”であったことがありました。それはシンガポールで働いていた時です。
自分が本当に良いと思う製品を販売し、エンドユーザーが喜んで使ってくれている、その姿を沢山見れる体験を得られたあとからは、自分の使命(こういった製品をもっと世の中に広めたい!)に基づいて、動けていた時期がありました。
ですが、今はネコです。(正しくはあえて”ネコ”になっていると言った方が良いかも)
サラリーマンのしがらみを受け、たまにイヌをかぶったネコにもなっていますが…。(ちなみに、奥さんは完全に”トラ”です…)
一度、自分自身や所属するグループの人達を眺め、あの人はこのタイプだなーとか当てはめて見ると、結構面白いです。
まだ、仲山進也さんの「組織のネコという働き方」という本は読めていないので、読んでみたいと思います。
ではでは、やっほほーい(とりあえず、藤野さんのパクリを続ける)
今日も一日頑張りましょう!