せいふふのブログ

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投資家がお金よりも大切にしていること:藤野英人

前から日本人ってお金に基づいて動いていると感じていたのが、この本を読んでだいぶクリアになった。冠婚葬祭時のご祝儀、お香典と言った形で現金でのやりとり、年始のお年玉、祖父母から孫へ渡されるお小遣い、神社のお賽銭等、日常生活の中でも結構お金(現金)主義だと思うところが結構あった。

 

日本人は、世界一ケチな民族

 

と言われても、ピンとこないかもしれないけど、数値はファクトを示しています。全ての国を比較した数値を見ていないので分かりませんが、先進国の中では残念ながら日本人はケチな民族のようです。

 

  • アメリカ人が年間に寄付する金額が約13万円に対し、日本人はたったの2,500円
  • ほとんどの先進国は家計の2~3%に相当する額を寄付している一方で、日本はたったの0.08%(2011年)
  • 日本人は個人が占める寄付の割合が著しく低く36%に対し、アメリカ76%。日本の場合、大多数が企業等の団体が占めている
  • 海外では投資信託を20年から30年のスパンで保有するところ、日本の平均保有年数はたったの2.4%。(何かリスクがあれば1円でも現金を減らしたくなく、すぐに売ってしまう)

 

2011年のあの地震の時でさえ、寄付額がたった2倍になっただけだそうです。今みたいにキャッシュレス社会になる前、コンビニ等で貰ったお釣りは、極力募金箱に入れていましたが、最近は全くできていなかったと思い、反省(反省だけでなく、行動に移したい)

 

日本の社会では、「お金は汗水垂らして稼ぐものだ」という概念が強すぎて、単純にお金儲けが=悪のイメージが、本当にありすぎる。そんなイメージを持ちながらも、墓場まで現金を持っていたいぐらい、お金「そのもの」が大好きな民族であり、現金が手元に無いと不安に駆られてしまったりもするので、心底、お金に揉まれながら生きているとは、本当悲しい性

 

日本人は、真面目ということの意味を履き違えている

 

真面目という意味は、広辞苑では

「真剣な態度・顔つき。本気。まごころがこもっていること。誠実なこと」と定義されています。つまりは、言われたことを言われた通りにやることや、ルール・規則を守ったり、常識をわきまえたりすることは、真面目の本来の意味ではないということ。これは、自分としても意味を履き違えていた部分が大いにありました。

 

「真面目にやれよ」と言われると、ついつい反射的に就業規則に基づいてやっているとか、コンプライアンスに即しているととか、形式上、表向きにちゃんとやっているかを意識してしまいがちです。

 

真面目の語源を深堀りすると、「柳(やなぎ)は緑、花は紅(くれない)、真面目(しんめんもく)という、中国宋人の詩人、蘇東坡(そとうば)の詩。その意味としては、「柳には柳の色、花には花の色があり、それぞれがそれぞれの個性や役割を発揮している」という意味。つまりは、ありのままでいること、本質的であることを表している。真面目とは、本気であり、真剣であり、誠実であり、「本質とは何か」ということをしっかり考えることになる。

 

この部分、自分としては、非常に刺さった個所になり、物事を何のために、誰のために真面目に考えるときに、役立つ考え方だと感じました。

 

日本人が美徳とする清貧の思想とは

 

  • アメリカ人のヒーローは民間人:バットマン、アイアンマン等、民間人で実業家
  • 日本人のヒーローは公務員:ウルトラマン、あぶない刑事、遠山の金さん等

 

世の中を良くしようとして、お金を稼いだ人が、決してヒーローにはなれないような既成概念ができている状況。あくまで、公務員が悪を倒すという仕組み。

 

なぜ、上記の違いがあるのかというと、これは清貧の思想という考え方からきているとのこと。本来の清貧の意味としては、「清貧とは、行いが清らかで私欲がなく、そのために貧しく暮らしていること」。これが、いつの間にか、「理念に生きるために、あえて豊かな生活を拒否するという思想が、「豊かになるためには、理念を捨てて汚れなければいけない」という考え方に変わってしまった。これが、「豊かになることは汚れることだ」となって、「お金もとは何か悪いことをしてお金持ちになったに違いない」という考え方になってしまったとのこと。

 

これは、日本人のマインドを本当によく表していると思う。この考え方があるから、「汚れてもいいので、お金持ちを目指す」、「貧しくてもいいので、清らかさを目指す」、この2つしかないと多くの日本人の方々が、思い込んでしまうようになってしまったんだなーと。どうりで、テレビでよくありがちな、大家族でお金がないけど、家族愛に満ち溢れています的な番組が結構放送されている流れに、妙に納得。

 

ミッション・オリエンテッド(使命志向)

 

多くの大企業は、真剣さや誠実さから来る「自分達はどうあるべき?」が、という説明が抜けてしまっている。株主総会でのIR発表しかり、ただ数値を報告するのみではなく、企業が生み出すサービス・製品の価値観を共有し、あるべき未来をどう実現していくのか?この部分にもっとフォーカスしていかないとダメなんだと思った。

 

つまりは、本質的には、如何に自分達の製品が良いかを訴えるのではなく、お客さんのことを真剣に真面目に考えて、より良くしていく未来のために、自分達が何ができるのかを訴えていく必要が、まずます重要になってくる。

 

 

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