せいふふのブログ

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”パーパス「意義化」する経済とその先”

現代のトレンドを具体例を豊富に用いて説明してくれた良書。

 

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www.amazon.co.jp

 

日本では、もし誰かがGAFAGoogleAppleFacebookAmazon)のどれかに就職できたとすれば、「えぇーすごいね」という感想が、直ぐにでてくると思うけど、アメリカの若者中では、そんな企業に働くのは、もはやダサいという感覚らしい。(GAFAの内定受諾率は、2016年→2019年で40%も下がった)

 

若い世代の子達は何を重視しているのか?

 

所謂、ミレニアム世代(1981~1996年)、Z世代(1997~2012年)と言った若い年代の子達の消費行動に変化がでてきいる。何かモノを購入する際、ブランドの社会的または政治的立場に基づいて購入を決定するようになってきている。以前のように、「ただモノを買う」から「社会をよくするために消費をする」と言った考えにマインドチェンジが起こっている。

 

上記の変化が、今起こっているトレンド。あらゆる製品の機能が向上し、その製品から得られる体験価値も数年前と比較しても、格段に上がっている。恐らく、モノから得られる個人の満足感という点では、もう十分なレベルに達している。(先進国と後進国との差はあるにしても)だから、個人は個人のためと考える人間中心ではなくなり、世の中、ひいては地球を中心として考え、自分が何に貢献できるのかを、考えるレベルになってきている。

 

そう思った時、今の若い消費者達は、商品を販売する購入先の企業が、「社会においてどのような責任を果たしているのか?」、また、仮にその企業が環境に配慮することを謳っている場合、ブランドやプロダクトが本当に環境に関することと結びついているのか、この点まで含めて、購入決定要素としている。

 

これからの戦略に求められる要素

 

ここで、大事になる点は、企業が「パーパス」を持っているかどうか。パーパスとは、社会的存在意義、つまり企業は何のために存在するのか?という点を打ち出せているかどうか。ほとんどの企業は、ビジョン・ミッションを掲げているのが通常。しかし、パーパスまで含めている企業は、あまりいない。現在、自分が勤めている会社も、前職の会社でもパーパスまでは掲げていなかった。

 

ビジョン・ミッションとパーパスの違いは、以下のような理解、

 

ビジョン・ミッション(小さな船):未来に向けて「こうありたい」と目指す姿

パーパス(大きな船):社会にどんな良いインパクトを与えられるのか?

 

社会に良い活動と聞くと、CSR(Corporate Social Resposibility)が思い浮かぶが、今までのように各社ありきたりなCSR対応(総務部・IR・広報部のバックオフィスの人達が、投資家や評価機関向けに作成するレポート)では、現在の潮流にはもはや追い付けない。

 

社会的活動とは、植林や途上国支援(学校設立のための寄付)等、事業の本業とは関係のないことに費やすイメージだが、そうではなく、企業の価値創造(製品やブランディング等)の中心に、社会的責任の概念を持ち込む必要がでてきている。

 

今までの競争:①製品の機能による差別化、②製品を使用して得られる体験による差別化に加え、これからは③「意義による差別化=パーパス」の戦いになる。

 

パーパスの例

 

Allbirds: 天然のウール素材のスニーカーメーカー

 「We're changing so the climate doesn't (ビジネスの力で気候変動を逆転させる) 」

→ 製品のライフサイクル全体で排出される二酸化炭素の量を示す「カーボンフットプリント」をゼロにする活動に力を入れる。

 

Cotopaxi: アパレルメーカー

 「Gear For Good (道具を通じ社会をよくする)」

→   サステナビリティに配慮された製品、修理や回収、リサイクルにも取り組む。年間売上の1%を財源としてCotopaxi財団をつくり、NPOの活動などの42のイニシアティブに助成金を出している。

 

Nike:スポーツメーカー

 「Breaking Barriers (障壁を乗り越える)」

   「Our purpose is to move the world forward through the power of sport - breaking barriers and building community to change the game for all (私たちのパーパスは、スポーツの力で世界を前進させること、すべての人のためのゲームとなるように障壁を超えてコミュニティーを構築すること」

→ 差別の撤廃、コミュニティ、地球環境に対する貢献の姿勢。雇用の多様性拡大にコミット。NFL元選手(コリン・キャパニック)を広告キャンペーンに使用。

 

Sony : エレクトロニクスメーカー

 「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。」

→ 既存の事業領域に加え、新規事業(EVコンセプトカー)を20年に発表。パーパスが新たな事業にも反映されている。

 

これからのブランドに求められることは、一時的な目的や偽りの目的はすぐに消費者に見破られる。マーケティングに偏りすぎた目的も、消費者の心に響かない。消費者が望むのは、自分達が関わるブランドとの真の意味でのつながり。

 

ではでは、良い一日を。

Have a nice day!